★大腸内視鏡(大腸カメラ)/経鼻内視鏡(胃カメラ)

大腸内視鏡による腸内の検査

大腸内視鏡による腸内の検査

大腸内視鏡検査は、肛門から内視鏡を挿入して盲腸までの大腸(と小腸の一部)を直接観察する検査です。特に、近年日本人に増えつつある大腸がんの早期発見と早期治療のために、大腸内視鏡はなくてはならない検査です。大腸癌は、ポリープなどが成長していく過程で発生しえます。早めのポリープの段階で内視鏡で取り除いてしまえば進行がんになる芽を摘むことができます。胃のポリープはがん化することは多くありませんが、大腸のポリープは見つけ次第切除して大腸がんに進行させないことが大切です(クリ-ンコロン)。大腸がんや大腸ポリープはほとんど自覚症状がなく、逆に症状が出た段階で見つかるとかなり進行した状態に至っていることがります。自治体では大腸がん検診として便潜血検査が行われています。便潜血で陽性にでた場合は、それを機会に一度は大腸内視鏡検査を受けることをお勧めします。また痔があるかたでも、大腸癌が合併している可能性もあり、一度は検査を受けることが推奨されます。

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大腸内視鏡の検査でわかる病気

大腸内視鏡による検査では大腸がんとその前段階にあたる大腸ポリープ、クローン病、潰瘍性大腸炎、大腸憩室症などの有無を調べることができます。ごく初期の大腸がんやポリープが見つかった場合は、検査をしながら切除することが可能です。便潜血の検査でも見つけられない早期のがんを発見できる可能性があるため、特に大腸がんのリスクが高くなる40代以上の方は定期的に大腸内視鏡検査を受けておくと安心です。

「水浸法」による苦痛の少ない大腸内視鏡検査

当院で行う大腸内視鏡検査では「水浸法」という方法を取り入れています。これは、新宿大腸クリニック後藤利夫先生らが考案された方法です。即ち、一般の大腸内視鏡検査では検査用スコープを入れる際に大腸に空気を吹き込み、スコープを挿入していきますが、水浸法では空気の代わりに少量の水を入れ、できるだけお腹を膨らませないように検査を進めます。スコープの先端から少しずつ水を出しながら視野を確保しつつ挿入することで腹満感が少なく、水により摩擦が減り、さらに浮力を利用することで、スコープが腸内を滑らかに進んでいきます。検査中や検査後にお腹の張りや痛みを感じることをできるだけ少ないように心がけています。今まで大腸内視鏡検査にためらいや抵抗感のあった方も受けていただけます。

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【水浸法動画↓】

早期発見の大切さ

経鼻内視鏡(胃カメラ)の検査

近年注目されているのはピロリ菌の感染の有無の確認です。ピロリ菌が感染した胃では慢性胃炎や胃潰瘍、胃がんの発生頻度が増えたり、潰瘍の再発の危険性が高まったりする点が指摘されていますが、ピロリ菌の除菌をすることでそれらの病気の発生や再発の可能性を抑えることが期待できます。さらに最近の研究では「日本人の胃がんの99パーセントはピロリ菌によるものである」との説もあり、ピロリ菌の除菌によって症状の改善やがんの予防を図るためにも、まずは経鼻内視鏡によってしっかりと検査を行い、早期の対処を心がけることが大切です。現在ではピロリ菌の検査を助成の対象とする自治体も増えてきています。なお、鈴鹿市では45歳から60歳まで5年おきに胃がん検診の助成を受けられ、希望者には胃がんリスク評価(ABC検診)の実施も可能なので、是非活用することをおすすめします。

大腸内視鏡検査

大腸がんの早期発見には便潜血反応検査とこの大腸内視鏡検査が基本です。検査にて大腸ポリープができていても、小さいうちに取ってしまえばそれで終わり、患者さまへの負担も少なく済みます。ポリープを放置していて大きくなってから切除すると出血を伴ったり、腸に穴が開く腸管穿孔という状態を招いたりする可能性があります。ポリープが多数できる体質の方などは、特に、ポリープはみつけ次第切除することが推奨されます。また切除後も定期的に検査を行い、再発がないかなど診ていく事が大切です。

大腸ポリープとはどのような病気か

大腸ポリープとはどのような病気か

大腸の内側にできた腫瘍を総称して大腸ポリープと呼んでいます。直径1cm以下のポリープであれば内視鏡で取ることができ、日帰り手術での対応が可能です。1cm以上になるとがんの確率が上がってきますが、1㎝以下でも、5mm以上は良性ですが、放置すると大きくなり、癌を伴う様になり、早めに取っておくことが大切です。 欧米ではクリーンコロン(全ての腺腫を切除した状態)を推進することにより大腸がんの死亡率が大幅に減ったといわれています。世界的にもポリープ切除による大腸がんの早期発見・早期治療の重要性が広く認識されています。

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大腸ポリープの症状

大腸ポリープには自覚症状がほとんどないため、定期検診で見つけていくことが大切です。ポリープがある程度の大きさになると便が接触することで少しずつ出血することがあり、便潜血検査によって目で見てもわからないようなわずかな血液も含めて科学的に調べることができます。しかし正確な大腸内の観察とポリープの発見には内視鏡検査が欠かせません。

大腸ポリープ切除時の痛みについて

大腸の管の内側には痛みを感じる神経がないため、大腸ポリープ切除を行う時に痛みを感じることは通常ありません。大腸にできたポリープは、内視鏡の先端部から出るスネアと呼ばれる輪っか状のワイヤーをポリープに引っ掛け、徐々にスネアを締めていくことで切除しますが、もし違和感や少しの痛みを感じられたとしたらワイヤーが深くかかり過ぎているということなので、一度止めて浅く掛け直してから再度処置を進めていきます。従来の内視鏡で問題となっていた、内視鏡を入れる時にスコープによって腸が伸ばされることで感じる痛みや、腸が空気でいっぱいになって生じる張りについても、当院では大腸に大量の空気を入れる代わりに少しずつ水を入れてスムーズにスコープを進める「水浸法」を導入しているため、ほとんど苦痛を感じない方が大半です。

大腸ポリープ切除の費用

大腸ポリープの治療は健康保険適用の対象になります。治療費は3割負担の方で以下の通りです。
こちらはあくまでも目安ですので、詳しくはお問い合わせください。

初診時(初診料) 3,000~4,000円
大腸内視鏡検査のみ 5,000~6,000円
内視鏡によるポリープ切除 18,000円程

なお、70歳以上の方は一般に医療費が1割負担であるほか、外来の高額療養費の自己負担限度額が12,000円(月額、一般所得者に該当する場合)と保険制度で定められています。大腸内視鏡によるポリープ切除手術を受ける場合、12,000円を超える金額は保険でカバーすることが可能です。

手術の流れ

1初診時

問診と診察を行い、検査について詳しい説明をさせていただいた後、手術日を決定します。下剤を処方し、使用方法をお伝えいたします。自治体の便潜血検査で陽性が出てご相談に来る方の例では初診にかかる時間は30分程度です。

2手術当日

自宅で朝から下剤を服用し、午前11:30頃に来院していただきます。特別な持ち物は必要なく、通常の外来診療の感覚で来ていただいて問題ありません。午前診療が終了した午後1時頃に検査を行い、ポリープが見つかった場合は切除します。30分程度で終了し、1時間ほど休んでいただいた後にご帰宅となります。

3手術後

1週間後にご来院いただき、病理結果などを説明します。診察は15分程度で終了します。

手術後に気をつけていただくこと

術後しばらくは安静を心掛け、激しい運動やお腹に力の入るような力仕事などはお控えください。消化がよい食事を心掛け、刺激物や煙草、アルコールを避けていただくことをお願いしています。便に血が混じっていたり、お腹の痛みが長く続いたり、発熱があったりした場合にはすぐに当院にお知らせください。術後の過ごし方については、DSコーディネーター(日帰り手術専門の看護師)からも丁寧にご説明いたします。日帰り手術を受けていただいた方には執刀医である院長自身の電話番号をお伝えしており、24時間体制でアフターフォローをしております。何か心配なことがあった時にはいつでもお電話ください。

大腸ポリープについてのQ&A

Q

健康診断の便潜血検査で2回のうち1回が陽性でした。もう一度検査を受けた方が良いですか。

A

便潜血検査で1回でも陽性になった方は大腸がんの可能性が否定できないため、便潜血検査をやり直すよりは大腸内視鏡検査を受けることをおすすめします。もちろんがんが判明するケースは非常にまれですが、内視鏡検査を受けたおかげでポリープが見つかり早期の切除ができた方が多数いらっしゃいます。

Q

血便がありましたが、原因が痔か大腸ポリープか、どのように判断できますか。

A

鮮血が飛び散るように混じる便であれば痔の可能性が高くなりますし、胃潰瘍など上部消化器官に原因があれば鉄が混じった黒い便が出る場合があります。さまざまな可能性を念頭に置いた上で診察を行いますので、排便に異常があった時には一人で悩まずに早めにご相談ください。

Q

再発はありますか。

A

大腸ポリープにはできやすい体質というものがあり、一度ポリープを切除された方はまた新しいポリープができる可能性が否定できません。また、大腸は長く屈曲が多いため小さなポリープはどうしても見落としてしまう危険があることからも、大腸ポリープを切除された方には定期的に大腸内視鏡検査を受けることをおすすめしています。

経鼻内視鏡(胃カメラ)による胃の検査

経鼻内視鏡(胃カメラ)による胃の検査

胃カメラというと口から入れのが一般的でしたが、内視鏡自体を細くする技術が進んで、鼻からでも内視鏡を挿入することが可能になりました。当院では鼻から入れる経鼻内視鏡を県内初で導入しており、それ以来、主に鼻からの検査を行っています。鼻から入れる内視鏡は管が舌の付け根に触れずに食道や胃に到達するため、口から入れる内視鏡と違って「オエッ」と感じる咽頭反射が少なく、苦痛の少ない方法です。カメラを入れたまま医師と会話を交わしたり、モニターに映し出される映像を見ながら質問をしたりすることもできます。一部に鼻が狭く入りにくい場合は口から入れることも可能です。その場合も径が細いので楽に行えることができます。口から鼻からなどにこだわる事無く、患者さま一人ひとりに合わせて柔軟に検査方法を選択しています。

経鼻内視鏡(胃カメラ)の検査でわかる病気

経鼻内視鏡(胃カメラ)検査では食道・胃・十二指腸のさまざまな病変を発見することができます。胃がん・食道がん・十二指腸がんなどのがん、胃潰瘍・十二指腸潰瘍などの潰瘍、 胃ポリープ・十二指腸ポリープなどのポリープ、急性や慢性の胃炎、逆流性食道炎、ピロリ菌感染症などの消化器系の病気の診断に役立ちます。胃痛や胸焼け、吐き気の症状がある場合にはもちろん、特に気になる症状のない方も定期的に経鼻内視鏡による検査を受けることをおすすめしています。